間口一間半の家
8色をランダムに組み合わせたモザイク柄のサイディングは、まるでカフェや雑貨店を思わせる個性的なデザイン
全国で仕事をされてきた施主が郡山市に落ち着くことを決め、奥様が以前に購入していた土地に家を新築したいと相談を受けました。敷地は3×33mと縦横比の差が極端な広さ30坪ほどの変形狭小地。ご夫妻と2匹の愛犬たちが快適に暮らせるように、空間の演出と明るさの確保を優先して設計しました。
建物は敷地形状に合わせた細長い形状。立ち位置によってまったく別の建物のように見えます。屋内は開放感を得るために壁を極力なくし、メインの空間をスキップフロアと吹き抜けで構成。スキップフロアの大きな窓からは陽光がたっぷりと入り、明るさと風通しに寄与しています。実はこのスキップフロアには素敵なプラスαの機能があって、毎夏開催される花火大会の鑑賞に最適な場所。昨年はご友人を招いて花火見物をしたと聞いています。
施主からの要望の一つだった露天風呂の希望をくんで、浴室のすぐ横にバルコニーを設置。ご夫妻が生活しやすいように、ワークスペースやクローゼット、パントリーなどの機能も盛り込みました。これまで“住む”ことに執着がなかった施主が今、家で“暮らす”ことを楽しんでいるそうで、その心境の変化を私はとても嬉しく思います。
建物の間口は1間半。敷地の長辺は33mあり、車2台分の駐車スペースも確保
東側に設けた玄関側からの外観。木製の玄関ドアと2階の大きな窓が印象的
ビー玉があしらわれた木製の玄関ドアは、この住宅のためにデザイン・製作したオリジナル
ダイニングとキッチンは袖壁で緩やかにゾーニングして、空間がすっきりと見えるように工夫。キッチンの奥にはパントリーを配した
キッチンから玄関方向を望む。木の温もりたっぷりのリビング・ダイニングは、壁沿いにベンチを造作して省スペース化
1階と2階はスキップフロアで緩やかにつながる。大人数が集まるときには、階段をベンチのように使える
階段には、設計者が用意した自然木の手すりを取り付けた。自然のままの曲線が空間にも手にもしっくりとなじむ
中二階に設けた東面と南面の大開口からの採光で、屋内の明るさを確保。プラン作成時に花火大会のことを知り、東側の大窓を提案した
南面のハイサイドライトは、アンティークの窓。古いガラス特有のゆらぎが、表情豊かな陰影を生んでいる
廊下の一部を活用したワークスペース用に一枚板でカウンターを造作。吹き抜け越しの窓からは夜景を楽しめる
2階はトイレと浴室以外に扉のないワンルームの間取り。北面の窓からの安定した光が寝室を包む。ネイビーブルーのクロスが空間のアクセントに
2階の奥に配した洗面脱衣室。カウンターは厚みのある一枚板を用いて造作した
スペースの兼ね合いなどの理由で実現できなかった露天風呂の代わりに、浴室のすぐ外に小さなバルコニーを設けた
| 構造規模 | 木造・2階建て |
|---|---|
| 延床面積 | 66.52㎡(約20坪) |
| 主な外部仕上げ | 屋根/ガルバリウム鋼板立平葺、外壁/窯業系サイディング、建具/玄関ドア:木製ドア、窓:樹脂サッシ |
| 主な内部仕上げ | 床/フローリング、壁/エコクロス張、天井/スギ板 |
| 断熱仕様 充填断熱 | 床下/ミラフォーム50㎜、壁・天井/ハウスロン100㎜ |
| 暖房方式 | エアコン・床暖房 |
| 工事期間 | 令和6年1月〜5月(約5ヵ月) |
